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metacast

「metacast」ミーティング:5月14日

2016年5月14日、土曜日のお昼からファブラボ世田谷βで「metacast」のミーティングが行われました。「metacast」は、骨折したときに必要となるギプスを、診察のその場で3Dプリントしてしまおうというプロジェクトです。

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まず、UXデザイナーでmetacast発案者の竹腰さんから3Dモデルについての詳しい説明がありました。

竹腰さんが作っているギプスの3Dモデルは「パラメトリックモデリング」という手法で構築されています。パラメトリックモデリングでは「こういう風にして形を作りなさい」という条件をどんどん積み重ねることで目的の形を表現します。その条件の中には「ここの長さは何センチ」というように長さに関するものも入っていて、その部分だけ後で自由に書き換えることが可能です。つまり、後からモデル各部の長さを自由に変更することができます。

このパラメトリックモデリングの特徴を利用すれば、患部を数カ所測定して、その値を入力することで患者さんに適したサイズのギプスを作ることが可能になります。

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義肢装具士として医療の現場で活躍しているPODD(義肢装具電子設計同好会)の多賀さんと小林さんから、より良いギプスを作るためにはどの部分を測定すれば良いのかというアドバイスや意見が返されます。

PODDの「電子設計同好会」という名前が示す通り、多賀さんも小林さんも3DCADを日常的に使っているので、3人の会話は「3DCAD的なワード」を共通言語にとてもスムーズに進みました。
「ここは測って長さ入れて、あとこの部分はロフトで大丈夫」
3Dプリンタの普及と、それに伴う3DCADの普及は、たぶん私達の「形を表す言葉」を豊かにしつつあります。私達は今「普通の人が、複雑な形を自由に正確に造形できる」時代を迎えつつあり、より複雑な形状を、より自由に、より的確に表現する言葉使い、ひいては思考形態を手にしつつあるのかもしれません。

かつて白黒だったパソコンのディスプレーが今から振り返ればとんでもなく不自由なものにしか見えないのと同じように、少し未来の私達は”現代”を「人々が自由に形を作り出せなかった不自由な時代」と認識するようになるはずです。

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モデリングに関して一旦話し合いが終わった後、黒板に書き出した関節などのポイントを実際に測定してみます。
指の測定をしながら、ここでも「どういうメジャーがあればより正確に簡単に測れるか」など、このチームでは会話が止まることはありません。

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次の試作品作成についても話が進んでいます。

ファブラボ世田谷βの3Dプリンタと、皮膚刺激性テストをクリアしている3Dプリンター用フィラメント「FABRIAL™(ファブリアル)」を使って次のギプスを作ってみることになりました。

診察のその場で、数カ所を測定して数値を入れるだけでギプスが3Dプリントされるという、数年後にはスタンダードであっても全然おかしくない試みは、3Dプリンタによって文字通りどんどんと形になっていきます。