5/18 (木)

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レポート:FAN5 (FabLab Asia Network) に参加しました

5/6~11の期間、韓国のソウルでは FabLab Asia Network 5(FAN.5) が開催されました。
これは毎年アジアのFab関係者が集まるイベントで、今回で5回目。
初めてFabLab世田谷から2日間ほど参加しました。

場所はソウル市内のソウルイノベーションパーク。元々は国の伝染病など医療系の研究所があったところで、移転に伴い再開発をしたそうです。再開発の際にはどのように使い方がふさわしいか、ソウル市が市民に要望を聞き今の形になったとのこと。
FAN.5 の 5日目にはソウル市長も視察にいらしていて、とても賑やかになりました。

敷地内には FabLabがあるのはもちろん! 起業家支援や市民活動・NPOの支援団体等、ソーシャルイノベーションの拠点として様々な企業・団体が入居し、なんと宿泊施設もあるそうです。メインフロアで配布されていたパンフレット類を眺めるだけでも、フェアトレードや若者向けの学びの場や就労支援といったものが並んでいました。
カフェのフロアには自由に閲覧できる図書館のような読書スペースや、ゴロ寝できるスペースもあります。Wi-fiもつながり、リラックスしながら仕事に集中できる空間が広がっていました。


なんとな〜く、わがFabLab世田谷がある IID 世田谷ものづくり学校にも似ているのですが、IIDが中学校(=の廃校利用)とすると、ソウルイノベーションパークの敷地は広大で大学のキャンパスのようなイメージです(よく迷子になりました)。
その広大な敷地で開かれた今回のFAN5。
展示や講演・ワークショップの様子をいくつかご紹介します。

◾️Fab City Campus 展示編
広いスペースの中には Fab City Campus として様々な展示もありました。Food・Energy・Wood・Earth・Recycle・Textile・No plug をテーマにした展示は、FabLabだけでなく、いろいろな企業や団体、学生たちとコラボレートして手がけられたものでした。

【Upcycle City】
何と言っても目を引くのはベンチのアートワーク。イベント終了後も椅子として活用されるそうです。
カットした残りの端材も重ね合わせて別の形のベンチとしたり、他にもアートワークとしても活用されています。


・子ども向けワークショップとして
1) 子どもの絵本:リユースできない絵本を活用してポップアップブックを作る。
2) プラスティックのおもちゃ:再利用できないおもちゃ→分解してパーツを分け、新しいおもちゃに作り変える。

【Textile City】
使い終わったファブリックをリサイクル・アップサイクルする→ファブリックタイルへ作り直す。

【Food city】
Sustainable Urban Farming:野菜工場で育ててます。

【Energy City】
Energy City Pavilion:太陽光と風力で発電しています。

【Wood City】
一つの素材と、ミニマムな手順で作られたパビリオン。
外から見ても中から見ても美しいです。

今回のカンファレンスでは、環境に対する配慮がとても行き届いていました。
参加登録時に参加者にはオリジナルグッズのバッグが配られ、その中には会場で使えるマグカップも入っていました。休憩に出される軽食やランチも、食器は全て使い捨てではないものが使用されていました。

環境問題を少し意識することで、生活スタイルを変えていくことができるよね! を今回の会場では身近に体験することができました。
なおソウル市は昨年 FabCity 宣言をしており、市内の商店ではすでにプラスチックバッグが有料化されていました。

◾️講演編
午前中はメインホール講演が行われました。
Labレビューでは、それぞれのFabLabが地域の課題を解決したり、スタートアップを支援するプロジェクト等々が紹介されました。また日替わりテーマによる講演もありました。

FAB LAB Mindanao
植林のためドローンを開発したプロジェクトの紹介(ドローンからタネがまかれる!)

Make Productive Lifestyle として
Opendesk
Fabricademy

◾️ワークショップ編
午後は各種ワークショップやハッカソンが行われます。
実際に参加したワークショップをご紹介します。

1)インド Banaao – A Makers’ Playground “Tinker with Paper Circuits”
紙に導電性の銅箔テープとアルミ箔テープを貼り、簡単な回路を作って光るカードを作る → はんだ付けの必要がなく回路を作ることができるので、光るカード作りなど子供向けのワークショップに向いているかも。

2)Fabricademy “Open source Circular Fashion”
Zero Waste, Modular Fashion, Tessellation, Interlocking を原則としてオリジナルのmodular pattern を作る。
Open Source Circular fashion:Fabricademyのプロジェクトがオープンソースで公開されているサイト。画像や製作過程、レーザーカット用のデータやソーイングパターンも掲載されています。
誰でもダウンロードして使うことができる=無駄にオンラインショッピングするのではなくて、データを使って着なくなった服をカットしてアップサイクルすることもできます!


3)Xin Fab レーザーカッターで作るアクセサリー
アクリルをヒートガンで熱し、ひねって好みの形にします。ガラスのようです。

4)木のお箸

5)フラッグで作るキーホルダー
今回のFAN.5のために作られた、ハッカソン告知の横断幕。
とても丈夫な素材で作られています、ということで最後はみんなでアップサイクル!
自分の好きな箇所を切って、キーホルダーにしました。

◾️各Fabで作っているもの、いろいろ
・フィリピン Fablab Bohol
なんと美しいアートワーク!と思ったら、リサイクルされたプラスチックの袋を圧着させたシート「アップサイクル・プラスチック」です。
アップサイクルで、こんなオシャレなことができるとは!
レーザーカッターでも扱えるそうです。

なお、Fablab Bohol では、PRP4IWI ( Plastic Recycling for Improving Women’s Income) として、この素材を使用したカードケースやIDカード入れも作っているそうです。

・布袋劇 (プータイシー)の人形
Fablab 台北のワークショップでダンボール甲冑を作っていた陳さんに見せてもらったのは、台湾の伝統的な民間芸能の一つ、布袋劇の人形。
伝統的な製法では顔や手は木を彫って作るそうなのですが、陳さんは3Dプリンタも活用されています。
また、美しい装飾で彩られる舞台(戯台、戯棚)も、レーザーカッターで製作するそうです。

伝統とテクノロジーのコラボレーションがすばらしい!
目の前で人形を操作していただいた時は、一気にその世界に引き込まれるようでした。

今回のFAN.5では、参加している各国からのFab仲間と情報交換をしたり、ワークショップでも様々なアイデアを共有することができました。
このようなFabLabならではのネットワークを生かして、FabLab世田谷での活動もさらに充実させていきたいと思っています。

そして、次回のFAN.6。最終日に投票が行われ、上海での開催が決定しました!